あきと

『むずかしいことをやさしく,やさしいことをふかく,ふかいことをおもしろく,おもしろいことをまじめに,まじめなことをゆかいに,ゆかいなことをいっそうゆかいに』

茂木健一郎「不安やストレスに打ち勝つ"最強メンタル"のつくり方」(2021年2月16日)

前頭葉を鍛えよ

現代社会のように非常に複雑になってくると何が正解なのか分からなかったり、情報がありすぎてどの情報が重要なのかという判断ができなくなったりするんですね。そういう時にどうしてもストレスが溜まってきたり集中できないっていう状況が出てきたりするんですよ。それが起こるのは基本的にその人の前頭葉の機能が十分に働いていない、ということに起因するんですね。前頭葉は脳の司令塔で色々な情報を総合的に判断して選択をして実行しています。いろんな意味で前頭葉を鍛えることがカギになるかなあと思うんですね。私はいつも「タイムプレッシャー」と呼んでますけど、ある時間内で何かをしなくちゃいけない。例えば締め切りがあるとかプロジェクトマネジメントの観点から「このプロジェクトをここまでやるためにはここの時期までにこれくらい終わらせないといけないなあ」みたいな計画があると思うんですけど、限られた時間の中で何かをやり遂げることが実は前頭葉を鍛える上でとても大事なことなんです。というのも簡単に言うと前頭葉っていうのはリソースマネジメントをしているところなんですね。ある目的を達成するために脳のリソースをどう動員するかということを前頭葉はやってる訳なので、じゃあどの脳の回路のリソースをどのように動員すれば時間までに終わらせられるのかというプレッシャーが前頭葉を鍛える上でとても大事です。時間だけじゃなくて例えばクオリティですよね。「どういうクオリティの物を作らなければならないのか」とかそもそもの「目的意識」(何のためにやっているのか)など様々なプレッシャーを楽しんで実行できることが前頭葉を鍛える上でとても大事。もう一つ僕がよく言ってることは今、どうしても皆すぐに検索するんですよ。情報が分からないと。それはそれで良いんですけど、時にはあえて検索しないでイメージを膨らませてみるというのも大事なことなんです。そのイメージを膨らませた中で実は現実の対象にはないのかもしれないけど、クリエイティブで将来のビジネスや学びに繋がるようなものが出てくることがあるので、そういう風に情報のアシストのオン・オフを上手く使い分けることが前頭葉を中心とする脳の回路を鍛える上ですごく重要なんです。