あきと

『むずかしいことをやさしく,やさしいことをふかく,ふかいことをおもしろく,おもしろいことをまじめに,まじめなことをゆかいに,ゆかいなことをいっそうゆかいに』

夏野剛「40代からの生き方・過ごし方」

40歳って「人生の折り返し」とか言われてるんですけど「まだまだ時間はたっぷりある」と思ってるじゃないですか。それは30代とか20代とあまり変わらない心持ちなんですよ。でも50を超えると「あれ、俺ってあと何年働くんだろう?」と言って急にお尻を意識しちゃうんですよね、大体の人は。だけど40の時はあまりそれを思わないんですよ。なので僕のオススメは「自分が50でリタイヤする」と思ったら「40代の10年をどう過ごすか」を考えることなんです。「後10年しか自分の現役人生はない」と思ったら何をするのか。それを普通の人は55とか60で考えようとするから(タイミング的に)もう何もできないんですけど、40の時に考えておくと50以降に残るものをやろうとするじゃないですか。というか結果的に残るんですよ。40だったらまだ体力もあるし、多少のリスクも取れるんで。そうすると何かやろうとするじゃないですか。そのやったことっていうのは確実に残るものになります。だって人間って40代が1番デカいことできるんで。体力や気力、チャンスが全部あるから。社会的にも40代はもう大人だし、エネルギーもあるから期待してるんですよ。だから実は40代が男女ともに1番自分の思い通りのことができる年代なのに「まだ俺は先があるから」って先延ばしにしちゃって、で50を超えた後に「あれ、この後どうしよう」ってなってるのがほとんどの99%の人なので。「この10年しか人生はない」と思ったら何をするのかってことをやればいい。僕はそれを考えたら「ヤベ!こんな会社にいちゃヤバい!」と思ってdocomoを辞めました。43歳の時に。辞めて良かったと思いますよ。53だったら辞められなかったかもしれないもん。「まぁ残り7年、大過なく過ごせば常務か副社長くらいまでいけるかもな」とかそういうのを考えちゃう。だから40代も駆け抜けましたけど、でもやって良かったと思ってます。43で辞めて大学教授とか色んな会社の役員とかやって、45の時から「とくダネ!」に出始めて11年間も出てたんで。テレビの仕事はdocomoの役員じゃできないし。だから今でも新しいことにどんどんチャレンジできるチャンスだと思いますよ。絶対、無駄にしないで下さい。何しろ「自分の人生があと10年しかない」と思ったら「もう今月終わっちゃった」って思うじゃないですか。それでいいと思います。僕はよく「40代でビジネスマンの明暗が分かれる」と言いますけど、まぁ実は30代だって同じなんですよ。